ゲット・アイテム・マニピュレーション(Get Item Manipulation)

ゲット・アイテム・マニピュレーション、または GIM(ジーアイエム)はメモリ操作バグの一種である。地面のアイテムドロップを拾う際に、ゲットアイテムと呼ばれるデータを書き換えることで本来とは別のアイテムを入手することができる。よく使われるのはテキストが表示されるドロップアイテムを利用してウォーキング・ホワイル・トーキングを発動させ、顔にアイテムをくっつけた状態で動ける状態を作る方法である。この方法で GIM の発動準備をするプロセスはゲット・アイテム・ディレイ(Get Item Delay)もしくは GID(ジーアイディー)と呼ばれている。

GIM に使用できるドロップアイテムは、デクの棒・デクの実・デクの種・魔法のツボ・ハートのかけら・ハートの器・デクの盾・ハイリアの盾・ゴロンの服・ゾーラの服・炎の矢・小さな鍵である。使用するドロップアイテムの種類は最終的なゲットアイテムデータには影響しない。最終的なアイテムに影響するのは、前に立って「開く」を表示した宝箱だけである。(ハートのかけら・ルトの手紙・時のオカリナ・虫・さかななど、これらのアイテムに触れたときも宝箱と同じようにゲットアイテムデータを書き換える効果があるが、 GIM を発動させるには触れたアイテムを入手してはならないという条件がある。これらのアイテムの入手アクションを中断してもクラッシュか GIM の効果が切れるかのどちらかになってしまう。)

各宝箱から入手できるアイテムはこちらの一覧表で確認できる:https://docs.google.com/spreadsheets/d/1iC55h-oy3NAIW739yNQ8Cg9QNpDGTyVRysNLHpnGo/edit#gid=0

ちなみに、宝箱以外の方法でゲットアイテムデータを書き換える場合(上記の説明を参照、ハートのかけらなどが使用可能)、書き換え後のゲットアイテムには書き換えに使ったアイテムのデータがそのまま設定される。つまりハートのかけらを使って書き換えた場合、入手するアイテムはハートのかけらになる。これを利用してアイテム増殖を行うことができる。ただしさかな・妖精(妖精珠は含まない)・虫などのビンアイテムは例外で、ビンアイテムを使って書き換えを行った場合は ID 126、すなわちデクの棒がゲットアイテムに設定される。

Get Item 値について

Get Item 値はアイテムデータ一覧のページにある数値とは別のアイテムデータである。Get Item 値は地面に落ちているアイテムに近づくとセットされるデータで、アイテムを拾い上げるとリセットされる。もともと Get Item 値は、宝箱などのアクターに対し「開く」アクションを発生させるために用意されたデータである。理由は不明だが、この Get Item 値というものは地面に落ちているアイテム(デクの実・ハートのかけら・ムシなど)に近づいたときは正の数値がセットされるのに対し、宝箱の前に立つときには負の数値がセットされる。GIM を発動させてから宝箱の Get Item 値をセットし、水に飛び込むと宝箱の中身とは違うアイテムを手に入れることができるが、これは宝箱を使ってセットした負の数値を正の数値に変換しないままアイテムとして入手するために発生する現象である。

小さな穴を使う方法

小さな穴には、出入りする時に少しの間カメラを固定状態にする性質がある。この穴の近くに、入手時にかかげるモーションが発生するアイテムを用意できれば GID を発動することができる。基本的な理屈としては、固定カメラを発生させ、カメラの効果が解除される前にドロップアイテムを拾う。するとカメラの状態にバグが発生し、リンクのコントロールはできなくなるが敵は動き続けることができるという状態になる。この状態になれば、硬直状態を敵の攻撃を受けることで解除できるようになる(テキストボックスは攻撃を受けて硬直を解除したら閉じて良い)。

日本語解説

妖精を使い水中で蘇生する方法

この方法もカメラのバグを発生させて発動する方法なので、原理は小さな穴を使う方法とほとんど同じである。まず、溺死するか、あるいは何らかの方法で水中で死亡する。するとカメラがバグ状態になるので、ここですぐにドロップアイテムを拾いに行き、その後ダメージを受ければ GID が発動する。どういうわけか異空間内で死亡するとカメラバグの時間がかなり長くなるため、死亡するプロセスは異空間で行うと GID の発動がやりやすくなる。

陸上水泳バグ(Swim on Land Glitch)を利用する方法

発見者:GLITCHESANDSTUFF

1 番最初に考案された GID の発動方法は、陸上水泳バグを利用する方法である。
陸上水泳バグを発動するには、まず水中に入ったら Z を入力しながら泳ぎたい方向にスティックを倒し、その状態でヘビィブーツを装備する。これでなぜか陸上でも泳げるようになる。陸を泳ぎ始めたらヘビィブーツは外して良い。

陸上水泳バグを発動したら、潜るアクションをし、主観視点モードになるアイテムを取り出す(フックショット・弓など)。すると潜るアクションの状態を保存することができる。この状態になると A ボタンの表示が 8 になるので、8 A バグと呼ばれることもある。そしてこの状態でアイテムを拾う。すると GIM と、付属効果としてグラウンドジャンプ待機状態が発生する。

ドロップアイテムを拾った後に敵の攻撃を受ける必要がないので面白い使い方ができる方法である。ただしヘビィブーツが必要になるので大人でしか使えない。

水中でツタを掴む方法

現行の Any% で使われている方法。やり方はいくつかあるので下の動画を参考にしてほしい。どの方法も少し特殊な操作を行う必要がある。1 つ目の動画は水中でスーパースイムをし、水の中からツタを掴む方法である。2 つ目の動画は異空間に入り、そこから「もどる」アクションを使ってツタを掴む方法である。3 つ目の動画は水位を下げながら、それを利用して「もどる」アクションを使いツタを掴む方法である。

GIM のセットアップと No Wrong Warp などで使われている Double GIM のやり方

GIM に関する特殊な現象

GIM に関して覚えておくべきは、GIM を発動するとゲーム全体が特殊な状態になるということである。たとえば GIM 中は、爆弾やボムチュウを取り出すことはできるが使用することはできず、GIM 状態を解除するまで爆弾やボムチュウが宙に浮いて停止するようになる。よって GIM 発動中にホバリングすることはほぼ不可能である。

また、GIM 中にひらける扉はドアノブの付いている扉だけで、スライド式の扉は開けないということも覚えておくと良い。エリア移動・死亡・リセット、これらの行動を取ると GIM は解除される。

バージョン差

拾うドロップアイテムによっては GIM 発動時にクラッシュが発生してしまうことがある。クラッシュするかどうかは使用機種によるが、バージョンは無関係である。また、GIM のクラッシュに関しては PAL 版と NTSC 版との間に違いはおそらくない。

クラッシュしてしまう場合の原因は、水に飛び込んだ時にグラフィック系装置が不正なデータを持つアイテムを描画しようとして、その際にエラーが起きることにある。

アイテム / ゲームハード Wii VCゲームキューブWii U VCIQue
デクの棒
デクの実×
デクの種×
ハートのかけら
ハートの器
デクの盾
ハイリアの盾
ゴロンの服
ゾーラの服
小さなカギ
魔法のツボ
炎の矢

完全版の表を後ほど記載する。

64 実機及びエミュレータで GIM を行う場合

見てのとおりだが上の表には 64 実機とエミュレータ用の列はない。エミュレータに関しては、クラッシュするかどうかはグラフィックプラグインに依存するからというのが理由である。GIM 発動時にクラッシュするグラフィックプラグインもあるし、中にはまったくクラッシュが発生しないものもある。

64 実機に関しては少し事情が異なる。64 実機で GIM を行う場合、ゲットアイテムデータだけでなく拾うドロップアイテムもクラッシュに関係している上、場合によってはカメラの角度も影響することがあるようである。この件に関してはまだ十分な検証が行われていない。

今のところ、魔法のツボ・デクの棒・デクの盾・ハイリアの盾を使った GIM ならば 64 実機でも発動できる時がある、ということまで判明している。また、調査の結果本来クラッシュが発生してしまうアイテムで GIM をする場合も、ムービーシーンのあるアイテムを使用すればクラッシュを回避できることがわかった(たとえばデクの実を使って GIM 状態を発動させ、魔法の豆やゼルダの手紙を使用すれば水に飛び込んだ時のクラッシュを回避することができる)。

Last updated 02/15/2017 – izu